保健師は国家資格で、保助看法では「厚生労働大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを業とするもの」と定められています。
「保健指導に従事する」と言っても、具体的な仕事内容は思い浮かばないかもしれませんね。
保健師は医療職者でありながら、患者を対象とするのではなく、基本的に健康な人を対象としています。
地域住民や労働者、学生が病気にならないよう健康指導や健康相談を行い、健康増進や疾病予防に努めることが仕事です。
その仕事内容は幅広く、成人の健康指導だけでなく母子福祉や老人福祉、障害者福祉にも携わりますし、結核やAIDS患者、難病患者、精神疾患患者への保健サービスの提供も行っています。
近年、保健師の仕事には、注目が集まっています。日本の国民医療費は年々増大していて、国民一人当たりの負担額も増加していますし、労働者のうつ病やパニック障害の増加も社会問題になっているからです。
保健師の種類は、保健所や市町村で働く行政保健師、一般企業で働く産業保健師、学校で働く学校保健師(養護教諭)の3種類にわけられます。
3種類とも基本的には、健康増進や疾病予防に取り組んでいますが、対象者が異なります。
行政保健師は、地域住民を対象としているので、乳幼児から高齢者まで年齢層も幅広く、業務内容も多岐にわたります。
産業保健師は、その企業で働く労働者が対象です。産業保健師は、定期健康診断を通じて、生活習慣病予防などの健康指導を行ったり、労働者のメンタルヘルスケアなどが主な仕事です。
学校保健師は、その学校の生徒や学生、教職員を対象としています。小学校から大学までと、その年齢や発達段階に合わせた指導が必要であり、小中学校の場合は保護者との関わりも重要になります。
|
|
|
|