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ホーム>薬の常識>薬と一緒に、健康食品やサプリメントを摂取しても大丈夫?
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薬や健康食品、サプリメントと聞くと、体に良さそう、病気を治してくれるというイメージが湧くと思います。では、それらの違いは何かと聞かれると、ぼんやりとは分かるけど、はっきり答えられない、という方が多いのではないでしょうか。
薬(医薬品)とは、薬事法で厳密に定められており、飲んだり、塗ったり、注射するなどして、人や動物の病気を診断・治療・予防するための物質のことです。それに対して健康食品やサプリメントとは、食事では摂取しきれない栄養成分などを補うためのものです。
日本では後者は単なる食品として分類されているため、医薬品のように特定の疾患に対して治療できるような効果はなく、また効果や効能を表記すること自体が薬事法違反となります。
医薬品は、科学的根拠に基づいて、何度も臨床試験を行い国の承認を得てから販売されるため、薬が作られるまでに10年以上かかるのに対し、健康食品やサプリメントはこのような過程がないので、健康食品市場には悪い商品が混ざっていることもあります。
健康食品やサプリメントで病気を治せるのか、と言われれば、答えはNOです。先ほども述べたように、これらには医薬品のような効果・効能はないからです。
病気を治療するということを目的とするならば、健康食品やサプリメントではなく、医薬品に頼るのが一番でしょう。しかし、その時点で病気が治ったとしても、再発してしまい、入退院を繰り返すという方もいらっしゃいます。これでは「健康」とは言えません。
普段私たちは、食事から摂取されるビタミンやミネラルにより、自分のからだを守る力や病気を治す力を得ているわけですが、普段の生活の中で、毎日バランスの良い食事を摂り、規則正しい生活を送り、ストレスフリーな生活を心がけている、という方がいったいどれくらいいるでしょうか。
健康食品やサプリメントは、普段から不足している様々な栄養素を補うための食品であり、これによって、元々体が持っている免疫力などを高め、本来の「健康」という状態に持っていってくれるのです。従って、これらの食品は健康を実現するためのものであり、病気を治すというものではないことを理解しておいてくださいね。
「薬+健康食品やサプリメント=健康に良く病気が早く治る」
と考える方も多いのではないでしょうか。しかし安易にそう考えて、同時にいくつもの製品を摂取するのは危険です。サプリメントの成分によっては、医薬品を同時に摂取することにより、その吸収を妨げたり、作用を弱めたり、または強めすぎてしまう、ということがあるのです。
例えば、カルシウムや鉄、マグネシウムなどと骨粗鬆症治療薬を併用すると、キレート化合物を形成して、医薬品の腸管からの吸収を阻害します。また、鉄と甲状腺ホルモン薬を併用すると、消化管内で鉄が医薬品と結合してしまい、吸収が遅れたり減少したりします。
さらに、血液をサラサラにする効果の魚の脂であるDHA・EPAと、脳梗塞防止薬の血液凝固防止薬を併用すると、けがなどの出血が止まらなくなります。
健康食品・サプリメントに関しての研究はまだ発展途上にあるため、現在の時点で分かっている医薬品との相互作用は、ほんの一部にすぎません。何も知らずに薬と健康食品、サプリメントを併用するのは、少し怖いですね。
このような害を避けるためには、処方された医薬品名を把握し、医師・薬剤師に相談したりして、飲み合わせの相性を事前に確認することが必要です。とは言っても、わざわざ聞くほどの飲み合わせなのかなぁと感じてしまうのが人間というものだと思いますので、一番良いのは、あれこれ一度に摂取しないように気をつけることですね。
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