医薬品などによる健康被害救済制度を知っていますか? -制度の種類・期限・方法- 健康・医療の総合情報サイト
健康・医療の総合情報サイト                      
ホーム薬の常識>医薬品などによる健康被害救済制度を知っていますか?




サイト内検索
 

薬の形の秘密
薬の正しい・危険な飲み方
薬の使用期限と効果・影響
薬の上手な保管方法
市販薬を上手に活用しよう
お薬手帳の正しい使い方
知っておきたい薬の用語集
薬の疑問Q&A



医の達人facebookページ
最新記事、お役立ち情報をいち早くご覧いただけます。








薬の常識
医薬品などによる健康被害救済制度を知っていますか?

 健康被害救済制度とは


医薬品はすべてが安全、安心というわけではありません。個人個人によって薬の効き方も副作用の発現の仕方も異なるため、思わぬリスクが伴うこともあります。そこで、医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用によって、入院治療が必要となった場合や日常生活に著しく支障をきたす程度の障害に対して、医療費、医療手当、障害年金等の救済給付を行う、「
健康被害救済制度」というものが昭和55年5月1日に創設されました。


この給付に必要な資金は、医薬品の製造販売業者がその社会的責任に基づいて納付する拠出金が原資となっています。




                               



 健康被害救済制度の種類と請求期限


医薬品の副作用によりどのような影響が出たかによって、給付される費用も異なります。また請求できる期限も定められており、これらは以下のようになっています。


入院治療を必要とする場合
医療費、医療手当
請求期限(副作用の治療を受けたときから)5年


日常生活が著しく制限される程度の障害がある場合
障害年金、障害児養育年金
請求期限なし


死亡した場合
遺族年金、遺族一時金、葬祭料
請求期限(死亡のときから)5年




                               



 どうやって請求するの?


まず、請求者またはその遺族が請求書を、医療機関が診断書(経過・検査値)、受診証明書、投薬証明書を作成し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に健康被害救済制度を受けられるかの請求をします。次に、PMDAが厚生労働大臣に判定の申し出をし、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会に諮問します。


その後、この審議会で救済の対象となるかならないかを審議し、再び厚生労働大臣、PMDAを通して、請求者の元へ決定通知が給付されるという流れです。


つまり、資料を作成してPMDAに提出すれば良いということになります。請求書、診断書などの用紙は申し出に応じてPMDAが無料で送ってくれますし、またPMDAのホームページからダウンロードもできます。




                               



 救済の対象とならない場合


請求された件数のうち支給決定件数は80%以上と高いですが、支給の対象とならないものもあります。例えば以下のような場合です。


● 医薬品の使用目的・方法が適正であったとは認められない場合
●医薬品の製造販売業者など、他に明らかに損害賠償責任がある場合
●救命のためにやむを得ず通常の使用量を超えて医薬品を使用するなど、健康被害が発生することが予め認識されていた場合
●医薬品の副作用において、健康被害の程度が基準を超えなかった場合や請求期限が過ぎてしまった場合
●法定予防接種を受けたことによるものである場合(予防接種健康被害救済制度があります。なお、任意に予防接種を受けた場合は対象となります。)
●対象除外医薬品による健康被害の場合


ここで対象除外医薬品というのは、がんやその他特殊疾病に使用される医薬品で厚生労働大臣の指定するもの(抗がん剤、免疫抑制剤など)や、人体に直接使用されないもの、薬理作用のないものなど副作用で被害が出るはずがない医薬品(殺虫剤、殺菌消毒剤、体外診断薬、賦形剤など)のことをいいます。




                               



 広めよう!


この制度は昭和55年から創設されているにもかかわらず、その存在を知らない人が多いのではないでしょうか。医薬品による被害は、個人差による副作用や、そもそも薬の開発に問題があった場合、その薬の処方が間違っていた場合など様々なケースが考えられ、その発生は稀ではありますが、いつそれがあなたに、またはあなたの大事な人に降りかかるか分かりません。


そんなときこの制度のことを知っていれば、生活の助けになったりもするでしょう。救済の対象は少数ですが、だからこそ、もっと多くの人にこの制度のことを知ってもらう必要がありますね。







このエントリーをはてなブックマークに追加



スポンサードリンク


   薬の形の秘密
   薬の正しい飲み方・危険な飲み方
   薬の上手な保管方法
   市販薬を上手に活用しよう
   薬の疑問Q&A
   良い病院を見分けるポイントとは?
   安心できる医師のポイントとは?


                               



                   
   

Copyright(C) これであなたも医の達人 All Rights Reserved.