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薬の常識
漢方薬に副作用はある?ない?

 漢方薬とは


現代医学と漢方医学では、病気に対する考え方が根本的に違います。


現代医学は、自然科学的立場に於いて、肉体の変化に基づいて病気との因果関係をはっきりさせ、その病的部位で何が起こっているのかによって治療の対象を決定します。西洋薬は化学配合されたものが多く、効き目が一定で薬の品質にバラつきがありません。即効性があるのも特徴の一つです。


それに対して漢方薬は、総合的立場に於いて、その病的部位で起こっていることだけに注目するのではなく、その根本的原因を探し、体質から改善していこうというものです。


漢方薬は、植物の草や花、木や根などからとった生薬を、何種類か組み合わせるものが多く、作用や効果は多岐にわたります。体全体を見るので、穏やかに効くものが多く、慢性的、体質的な疾患に対して優れています。従って、病名に関係なく、時には病名を無視して、病人の状態を現す
「証」を決定することから治療が始まります。




                               



 証って何?


証というのは、治療の手がかりであり、薬の効くための条件です。つまり、患者さん一人一人の今の状態を現すものです。証は、「陰陽(いんよう)」「虚実(きょじつ)」「気(き)・血(けつ)・水(すい)」といったさまざまなものさしによって判断されます。


これらのものさしによって、患者さんの訴える症状や体格などから、一人一人の証が決定されます。従って、西洋医学から見る病名が同じでも、証が違えば治療方法は異なりますし、逆に、病名が違っても、証が同じならば治療方法は同じになります。




                               



 副作用とは?


漢方薬は副作用がなく、安全な薬だということは、長らく信じられてきました。しかし、漢方を飲んで体調が悪くなったという患者さんが存在するのも事実です。


そもそも副作用とは、現れる症状のうち、希望されていない症状のことを言います。このような本来の副作用という意味では、漢方薬に副作用はほとんどありません。では、体の不調を訴える人たちには何が起こっているのでしょう。その不快な症状の実態には、以下のことが原因として挙げられます。


@ 誤治・・・証に合わない薬による副作用
A 副作用・・・アレルギー反応や生薬の薬理作用
B 瞑眩・・・治療過程で現れる不快な症状


誤治については、個人差である、証に合わない薬を処方されたのですから、本来の効果とは別の効果しか発揮されないのは当然と言えます。また瞑眩とは、薬の効果が発揮される過程で現れる、別の不快な症状のことです。


ただしこれは症状が回復にむかっている兆しとして捉えられます。例えば、咳止めを飲んだら鼻血が出たが、しばらくすると咳は止まった、というようなものです。これは副作用とは区別して考えられますが、患者さんからすれば副作用と感じてしまうのも無理はありません。症状の改善のためにはやむを得ない不快な症状が、瞑眩ということになります。




                               



 実際に副作用はあるのか?


最後に本当の副作用についてです。人によっては漢方薬にアレルギー症状を起こすことがあり、発疹や肝機能の異常、あるいは膀胱炎のような症状となってこれらは現れます。


近年では、柴胡剤(サイコザイ)による重い間質性肺炎や肝障害もまれに報告されており、柴胡剤が含まれる小柴胡湯(ショウサイコトウ)は、よく使われる薬ですが、慢性肝炎によい効果を示す一方、死亡例を含む重い副作用の報告があります。


ただしこれは、非常にまれなケースであり、その原因は、体力の落ちている人に使用してしまったからだと考えられています。


このように、漢方薬には副作用といえる症状はありますが、そのほとんどは、証に合っていない薬を処方されたことに基づくもので、本当の副作用に関しても、西洋薬と比べると軽いものが多いです。専門家も、証を無視した画一的な処方はやめ、私たちも漢方のことをよく知っていく必要がありそうですね。





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