|
|
|
ホーム>気になる健康コラム>救急車のたらい回し問題。その対策とは?
|
|
|
|
|
| |
日本の救急医療制度は、患者の重症度によって一次救急、二次救急、三次救急の3段階に分けられています。
一次救急は、入院の必要がなく外来で対処できる状態、徒歩での移動が可能で受診後帰宅できる状態の患者に対応しています。
二次救急は、入院して加療が必要な患者に、三次救急がICUで高度な集中治療が必要な患者に対応しています。
近年、医療崩壊が問題となっていますが、救急医療制度も例外ではありません。特に、二次救急の「たらい回し」が大きな問題になっています。
救急車を呼んだとき、いくつもの病院が受け入れを断って、患者の収容先がなかなか決まらず、患者の状態が悪化して、死に至るケースが相次いで起こっています。
三次救急の場合は、救急隊から消防の救急司令センターに連絡が入り、救急指令センターから病院に受け入れ要請が来るシステムです。
基本的に病院側も患者の受け入れを拒むことはありませんので、たらい回しにされることはほとんどありません。
しかし二次救急の場合は、救急隊員が直接受け入れ可能な病院を探し、交渉するシステムですので、時間もかかりますし、病院側が受け入れを拒否する場合が多いのです。
2011年は、救急搬送で3回以上受け入れを拒否された件数が、1万7千件以上にも上っています。
二次救急を受け入れる「救急病院」でありながら、受け入れ拒否をする病院が多い原因には、何があるのでしょう。
表向きの理由は、「空きベッドがない」、「専門医がいない」、「ほかの患者の処置で忙しい」などががあります。確かに、このような理由で受け入れができないことも多いでしょう。
でも実際には、「既往歴などのデータが全くない患者さんの受け入れをして、何か問題が起こっても困る」という理由もあるようです。
この理由は、救急病院としては不適切です。でも、昨今は医療訴訟が大きな問題になっていますので、医療機関側としては、かかりつけ以外の患者はできるだけ受け入れを拒否したいという思いがあるのかもしれません。
現在、厚生労働省を筆頭に、消防と医療機関の連携を強める、病院群輪番制の徹底などたらい回し防止のための対策が行われています。
しかし、救急搬送のたらい回しが後を絶たないのは事実です。もし、自分や家族が救急車を呼ぶような事態になった時、たらい回しにならないために、自分でできる対策をしておきましょう。
自分でできる対策とは、地域の救急病院にかかりつけを作っておくことです。かかりつけの患者の場合、受け入れ拒否の確率はかなり低くなります。その病院の診察券を持っているだけでも違うようです。
また、健康保険証と共に、自分の既往歴やアレルギーの有無、持病のある人はその検査データなどを持っておくと、医療機関側もどのような患者かを把握しやすく、受け入れてもらいやすいでしょう。
このような対策をしても、救急搬送時に100%受け入れてもらえるという保証はありませんが、「自分の命は自分で守る」という自衛の意味でも、自分でできる対策は行っておくようにしましょう。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) これであなたも医の達人 All Rights Reserved. |
|