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ホーム>気になる健康コラム>心停止82分後に蘇生?!心肺蘇生法について知りましょう。
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愛媛県の62歳の男性が心停止を起こし、82分後に蘇生して、現在は後遺症なく生活しているという事例があることがわかりました。
この男性は、2014年2月4日に心筋梗塞を起こし、午前9時47分に搬送中の救急車内で心停止になりました。搬送中と搬送された八幡浜総合病院で心肺蘇生処置を受けましたが、なかなか心拍は再開せず、午前11時9分にようやく心拍再開となりました。心肺停止から心拍再開まで実に82分もかかっています。
心拍再開後は低酸素による脳へのダメージが疑われたため、同日夕に愛媛大学病院に転院となり、低体温療法を受けて、2月10日には意識が回復し、3月31日には無事退院。そして、今では後遺症もなく、心肺停止前と変わらない普段どおりの日常生活を送っているということです。
心肺蘇生処置に当たった医師は、「後遺症がなく回復したケースでは国内最長時間経過での蘇生ではないか」と話しています。
患者さんが62歳と比較的若かったことや心肺停止中も救急隊員や医療スタッフによって心肺蘇生処置がしっかり行われ、脳への血流がきちんと保たれていたことなどが、今回の事例の治療成功の鍵だったと思いますが、それでも82分後に心拍再開で後遺症なしというのは、本当に驚くべきことです。まさに人体の神秘、人体の奇跡と言える事例ですよね。
上記の事例は、救急車の中で心電図のモニターなどをつけた状態で心肺停止となったため、心肺停止となった直後すぐに心肺蘇生処置を始められたこと、さらに心肺蘇生処置に当たった人が救急隊員というプロだったことが蘇生成功のポイントの一つだったと思います。
でも、これはとてもラッキーだった事例です。心電図モニターがついている状態で心肺停止なんてほとんどありませんし、心肺蘇生のプロがその場にいることも珍しいですよね。
でも、心肺停止に陥った場合、蘇生するかどうかは時間との勝負です。その場にいる人が、心肺蘇生処置を行わなくてはいけません。
心肺蘇生処置を開始するのが1分遅れると、救命できる確率は7〜10%も低下していきます。心肺停止後2分以内に心肺蘇生が開始されれば救命率は90%と高いですが、4分では50%にまで下がり、5分では25%、10分経つと救命確率はほぼ0%というデータもあります。また、心肺蘇生までに3〜4分経つと、救命できても重い後遺症が残る確率が高いんです。
だからこそ、心肺蘇生はできるだけ早く行わなくてはいけません。
でも、目の前で人が倒れて、心肺停止状態に陥ったら、普通はパニックになってしまいますよね。でも、心肺蘇生法を知っておくことで、落ち着いて心肺蘇生法を実施できるようになるかもしれませんので、心肺蘇生法の手順を確認しておきましょう。
1. 倒れている人を見つけたら、まずは周囲の安全を確認しましょう。
2. 周囲の安全が確認できたら、肩を叩きながら、大きな声で「大丈夫ですか?」と声をかけて、意識の有無を確認しましょう。
3. 意識がない場合は、周囲の人に協力してもらって、すぐに119番をして救急車を呼び、AEDが近くにある場合は速やかに取ってきてもらいましょう。
4. 胸の動きなどを見て、呼吸があるかどうかを確認します。
5. 呼吸が不規則で不自然、もしくは呼吸が確認できない場合は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行います。1分間に100回のペースで、絶え間なく続けることが重要です。胸骨圧迫はかなり疲れますので、周囲にいる人と交代しながら救急車が来るまで続けましょう。
AEDがある場合は、胸骨圧迫の中断を最小限にしながらAEDを使います。また、心肺蘇生の訓練を受けたことのない人は、気道確保や人工呼吸は行わなくて大丈夫です。とにかく胸骨圧迫を絶え間なく続けることを心がけてください。
あなたが迅速に心肺蘇生を行うことで、命を助けることができるかもしれません。目の前で人が倒れた場合、慌てずに冷静に行動するのは難しいですが、少しでも落ち着いて対処できるように、心肺蘇生法はきちんと確認しておきたいですね。
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